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少年は春日の目の前でピタリと足を止めた。
「こんちわ…野球部入りにきたっす。」
少しキツイ目に、量の多い白髪。
3人に比べかなり大きく、圧倒された。
「でも…この野球部は、試合できる人数が…。」
「知ってるっすよ。」
「…。」
「先輩。勝負しましょう。」
「おれ、投手希望っすから。」
「えっ…。」
唐突だったが、うまくのせられてしまい、結局バッターボックスに入ってしまった。
「1打席勝負ってことで。」
そして、少年は振りかぶった。
きれいなオーバースローから放たれた球は、空気を切り裂き、ど真ん中に入ってきた。
しかし春日は振れず、球は後ろの壁に当たってはね返った。
「!!!」
なんだ…この球は。
140は出てる。
あんなストレート見たことない。
おれなんかが打てるわけがないじゃないか。
そもそも試合にだって全然出してもらえてなかったんだから…。
「先輩、ストライクっすよ。」
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