1.新入生

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少年は春日の目の前でピタリと足を止めた。 「こんちわ…野球部入りにきたっす。」 少しキツイ目に、量の多い白髪。 3人に比べかなり大きく、圧倒された。 「でも…この野球部は、試合できる人数が…。」 「知ってるっすよ。」 「…。」 「先輩。勝負しましょう。」 「おれ、投手希望っすから。」 「えっ…。」 唐突だったが、うまくのせられてしまい、結局バッターボックスに入ってしまった。 「1打席勝負ってことで。」 そして、少年は振りかぶった。 きれいなオーバースローから放たれた球は、空気を切り裂き、ど真ん中に入ってきた。 しかし春日は振れず、球は後ろの壁に当たってはね返った。 「!!!」 なんだ…この球は。 140は出てる。 あんなストレート見たことない。 おれなんかが打てるわけがないじゃないか。 そもそも試合にだって全然出してもらえてなかったんだから…。 「先輩、ストライクっすよ。」
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