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いよいよ入学式から1週間経った。
しかし、部員は5人のままだ。
あれ以来、みんなで部員を探しているわけだが、全く手応えなしの状態である。
今日も5人でグラウンドにやってきたのだが、5人じゃまるで練習にならない。
せいぜいキャッチボールとノックとTバッティングくらいだ。
それでも春日は満足していた。
一人よりははるかにましだ。
これからもっと面白くなる。
そのために部員を集めなくては…。
そして、いつものようにキャッチボールを始めようとしたとき、グラウンドに一人の男がやってきているのを桃丸が見つけた。
「ね~だれかきたよ~?」
「…」
「…校長?」
春日がさりげなく挨拶した。
「こんちわっす…。」
「こんにちわ。」
側にきた校長は春日に話しかけてきた。
「野球部の部員は5人かね?」
「はい。でもこれから、たくさん集めます。」
「…。」
不満そうな顔をした校長が重い口を開いた。
「1週間だ。」
「何がですか?」
「あと1週間以内に残りの部員4人を集めなければ…廃部だ。」
「…っえ。」
「それがタイムリミットだ。」
「1週間後、集まらなければ廃部とし、連盟に届けを出す。」
「…でわ。」
それだけ言うと、そそくさとグラウンドを後にした。
「1週間…。」
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