2.二人の怪物

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いよいよ入学式から1週間経った。 しかし、部員は5人のままだ。 あれ以来、みんなで部員を探しているわけだが、全く手応えなしの状態である。 今日も5人でグラウンドにやってきたのだが、5人じゃまるで練習にならない。 せいぜいキャッチボールとノックとTバッティングくらいだ。 それでも春日は満足していた。 一人よりははるかにましだ。 これからもっと面白くなる。 そのために部員を集めなくては…。 そして、いつものようにキャッチボールを始めようとしたとき、グラウンドに一人の男がやってきているのを桃丸が見つけた。 「ね~だれかきたよ~?」 「…」 「…校長?」 春日がさりげなく挨拶した。 「こんちわっす…。」 「こんにちわ。」 側にきた校長は春日に話しかけてきた。 「野球部の部員は5人かね?」 「はい。でもこれから、たくさん集めます。」 「…。」 不満そうな顔をした校長が重い口を開いた。 「1週間だ。」 「何がですか?」 「あと1週間以内に残りの部員4人を集めなければ…廃部だ。」 「…っえ。」 「それがタイムリミットだ。」 「1週間後、集まらなければ廃部とし、連盟に届けを出す。」 「…でわ。」 それだけ言うと、そそくさとグラウンドを後にした。 「1週間…。」
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