飼われてる

1/2

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ

飼われてる

着いた…ようやく我が家に着いたよ… 散歩もある意味、命懸けだな。 少しだけ開いてるドアから家に入り、座布団の上で横になる。 疲れた。 マジで疲れた。 「タマ帰ってたの?お帰り~」と言ってお母さんは俺を抱き抱え、顔を近付けてきた。 チュッ うげぇ~!!キスされた! たった今俺はお母さんにキスされたぞ。 俺のファーストキスはお母さんか!? 夢でもこれはキツイだろ… チュッ。チュッ。チュッ。 もう俺は体から力を抜き、お母さんに身を委ねる。 いわゆる“放心状態”ってヤツ。 「本っっ当にタマは可愛いわね。お父さんもタマみたいに可愛かったら良かったのに」 猫みたいなお父さんなんて嫌だよ。 ってか、いくらなんでもキスしすぎですよ。 夜になってお父さんが帰ってきた。 「タマ。良い子にしてたか?」 はい。良い子にしてたらキスされました。 唇を奪われました。   一応鳴いとこうかな。   ニャ~   「そうか。良い子にしてたか。よしよし」 お父さんに頭を撫でられたのは何年ぶりだろう。 悪い気はしなかった…  
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加