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飼われてる
着いた…ようやく我が家に着いたよ…
散歩もある意味、命懸けだな。
少しだけ開いてるドアから家に入り、座布団の上で横になる。
疲れた。
マジで疲れた。
「タマ帰ってたの?お帰り~」と言ってお母さんは俺を抱き抱え、顔を近付けてきた。
チュッ
うげぇ~!!キスされた!
たった今俺はお母さんにキスされたぞ。
俺のファーストキスはお母さんか!?
夢でもこれはキツイだろ…
チュッ。チュッ。チュッ。
もう俺は体から力を抜き、お母さんに身を委ねる。
いわゆる“放心状態”ってヤツ。
「本っっ当にタマは可愛いわね。お父さんもタマみたいに可愛かったら良かったのに」
猫みたいなお父さんなんて嫌だよ。
ってか、いくらなんでもキスしすぎですよ。
夜になってお父さんが帰ってきた。
「タマ。良い子にしてたか?」
はい。良い子にしてたらキスされました。
唇を奪われました。
一応鳴いとこうかな。
ニャ~
「そうか。良い子にしてたか。よしよし」
お父さんに頭を撫でられたのは何年ぶりだろう。
悪い気はしなかった…
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