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その日は雨模様でぐずぐずした天気であった。
遊びに来ていた友人たちを車で近くの駅まで送って行くことになって、近道をしようとガソリンスタンドの脇の道に入った時である。
前方の電柱のてっぺんに白くもやもやとしたものが光って見えた。「おい、変なものがみえないか?」近づいて行くと電柱のてっぺんに、白い髪を乱した老婆が、雨と風にうたれてゆらゆらとゆれながらたっている。「なんだあれ!」彼らの車は電柱の脇を通過した。その瞬間!「ガタン‼‼‼」
「どうした!」
「ぐううう…」
「うわぁ」
「きゃあ」
老婆だ!
そのあまりの形相に全員悲鳴をあげて、車は急停止した。
全員がふたたび車のうしろを見た時には……
老婆はいなくなっていた。
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