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早紀…?私の事? 違う!私の名前じゃない!私の名前は……名前は………あれ? 名前が思い出せない…。 そ、そんな……馬鹿な…。 頭に手をやり、必至に自分の名前を思い出す。 ……………… 「早紀、乗りなさい」 ――!? 女の声に変わっていた。助手席に女性が座っていた。 気付けば全身冷や汗で濡れ、震えている。 ……怖い… 「早紀!」 男性の声に体をビクっとさせ、恐怖のあまりその場から逃げ出した。 後ろは振り向けなかった。怖いのだ。 緩やかに曲がった十字路を直線に走った。ひたすら走った。 Uターンは出来ないはずの道だからすぐに追ってこないのなんて忘れてただ走った。
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