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―――10分程走ったか。息はとっくに切れている。
ようやく大通りに出た。
片側二車線の道路にも関わらず車一つない。
左右は真っ暗で、10メートル先はすでに暗闇だった。
明かりは正面、横断歩道を渡った先のコンビニ一つのみだった。
信号はあるが点いていない。
もう一度左右を確認し、横断歩道を渡ろうとした。
その刹那――ズボンのポケットにあった携帯電話のバイブレーションが聞こえた。また体をビクッとさせた。
静かである故にかなり大きな音に聞こえる。
急いで取り出し開いてみる。
画面には『彩香』の文字。
あや…か…?
誰だろう…。
とりあえず出てみた。
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