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残しても良いとされているのはパンだけだった。
給食にはコッペパン。
当時はそれが当たり前だった。
味もそっけもないパンだ。
そのパンも、全部は残せない。
自分のクラスでは3分の1しか残す事が許されていなかった。
しかも第3者の誰でも良いのだが、見てもらい判断をしてもらわなくてはなからなかった。
もとの大きさも見ずに勝手に判断されたくない。
と思うのはわたしだけだろうか?
作ってくれていたオバチャンには申し訳ないが、当時の給食は《おいしい》と思う物がない。
高学年になって1ヶ月に1度、揚げパンが出始めたくらいだ。
今現在は、ご飯・うどん・スパゲッティまでも並ぶそうだ…地域によってステーキなど様々、うらやましい。。。
しかもスゴくおいしいらしい。
1度味わってみたいものだ。
当時は、ひじき・煮物などが並ぶ。
そういえば私は給食で出てきた、生ぬるくて辛くない麻婆茄子を食べて気分が悪くなったのを覚えている。
それからだったかな?
茄子のやわらかいのが嫌いになったのは。
給食のお陰で嫌いになった物はいくつかある。
コッペパンも当時の思いがあるからか、好きではない。
小学生のわたしには飽きてしまっていた。
毎日同じ様な味ばかり。
デザートも1ヶ月に1度、冷凍クレープみたいなものが出るが、ほとんど同じみの冷凍ミカンだった。
「食べ物は粗末にしてはダメです。残さず食べる様に。作ってくれた人の気持ちも考えて、感謝して食べなさい」
先生の言葉が身にしみた。
しかし私は残してはいない。
ただ、遅いだけだ。
しかもその言葉も言いきれなくなっていった。
遅く食べるとどうなるか。
当然、お腹がいっぱいになる訳だ。
お腹いっぱいなのにまだ残っている。
残せない。
と、くれば時間が過ぎてゆくばかり。。。
ある日のこと。
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