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ある日のこと。
とうとう授業が始まってしまった。
そう、五時間目の授業だ。
今思えば、小学校で良かったと思う。
全科目が担任の先生だからだ。
もし中学校でそんな事をしていたら、本当に良い笑い者にされたに違いない。
しかも人数は小学校よりも、はるかに多い。
全教科の先生・担任・生活指導。
ヘタをすると全校生徒に知られかねない。
小学生で良かった。。。
話が少しズレた様だ。
もとに戻そう。
そう、五時間目の授業だ。
よく覚えている事がある。
国語の授業の時間。
その日は、まめテストの日だった。
わら半紙に印刷されたテストは漢字百問だった。
「少し難しいので、1人ずつ何問目が分からないか言って下さい。ヒントを出します」
《なにっ!わたしは質問が出来ないじゃないか!》
わたしは心の中でつぶやいた。
果たしてそれはテストだったのかと今さらながら思う訳で。
「人が質問している時も良く聞いている事。ひょっとしたら自分と同じで、答えが分かるかもしれません」
《そんなぁ。わたしは?》
「彼女は食べなくてはならないので跳ばして次の人」
もちろん当たり前の様に順番はパスされる。
《いっその事、食べながらやりたいぐらいだよ》
問題を見ながらのんびりと口に運んでいた。
が、鉛筆を持つ事は許される訳がなく悔しい想いをしたのを鮮明に覚えている。
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