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{キ~ンコ~ン
カ~ンコ~ン}
授業終了のチャイムが鳴り響いた。
「はい、終了。後ろから前に集めて」
当然わたしのも余儀なく集められた。
半分も出来なかった。
当たり前だ。
一通り見る事も出来ずに終わってしまった。
悔しい反面、どうしようもなかったのだ。
……後日テストがかえされた。
半分も出来なかったのだから、当然点数も半分以下だ。
わたしはとりあえずその返されたテストの結果を母親に見せた。
「なあに、この点数は。しかも半分も書けていないじゃない!」
当然の言葉だ。
わたしが見てもその通りだ。
「まっ、待って。実はね……」
ただ頭が怒られるのにも納得のいかないわたしは、事細かく説明をした。
常日頃から、母親とその日あった事などをよく話していたので、何の疑いもなくわたしの話に耳を傾けた。
そして母親の口から出た言葉。
「まっ、仕方ないわね。あんたは小さい頃から食べるのが遅かったからね」
説教をしていた母親は呆れて夕飯の支度に取りかかった。
説教も黙るこのパワー。
このままで良いのか。
その日はなんとも歯がゆい気持ちで終わった。
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