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そんな驚きがあったが、俺達はそれぞれ順番にミユキの前で手を合わせた。
最初はタクトが……
「ミユキ。久しぶりだな。
最近、ガキがうるさくて仕方ないんだよな。
嫁もわがままだし……」
家族の愚痴を言っていた……
でも、最後は……
「まぁ、家族だから仕方ないか」
そう言って笑っていた。
次にチヅルが、少し涙目になりながら手を合わせた。
「ミユキ~。いつもリュウジがイジメるんだよ~」
「って、おい!
何言ってんだよ!」
全く身に覚えのないチヅルの嘆きに、俺はチヅルの頭をペシッと軽く叩いた。
すると、チヅルはいたずらっ子のように舌を出して笑顔を見せて、またミユキの方を見た。
「まぁ、いつもこんな感じだけど、リュウジと楽しくやってるよ。
ちゃんとミユキの分も"幸せ"になってるよ」
チヅルの言葉にちょっと恥ずかしくなった。
そんな俺にタクトはニヤニヤと笑いながら、耳打ちをしてきた。
「相変わらず、熱いな。
いまだに、新婚気分か?」
「うるせー」
俺は顔を赤くしながらタクトに言ったが、全力で否定は出来なかった……
だって、本当に新婚気分が抜けてないから……
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