8225人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなタクトは"今日"の為にこっちに戻って来ている。
ただ、俺達が駆け寄るとタクトは腕を組んで溜め息をした。
「お前等な~。
こっちは、子供に『連れてけ~!!』って泣かれたのを、無理やり嫁に押し付けて来たって言うのに……
そっちは子連れかい……」
「ま、今日はこの子を"ミユキ"に会わせたいからな」
「そうか。なんかようやくって感じだな」
俺はタクトの目の前にミユキを掲げ上げながらそう言うと、タクトは安心したような微笑みを見せた。
そんな俺達をミユキはキョトンとした顔で見ていた。
そう、今日は"ミユキの命日"……
俺達はミユキの墓参りを兼ねて、数年振りに集まった。
その後も、俺とタクトは雑談をしていたが……
「ほら~。
とりあえず、早く行くよ~」
「あ、わりぃ」
「じゃあ、行くか!」
チヅルの言葉に俺達はそれぞれ答えると、タクトを入れて再び歩き始めた。
.
最初のコメントを投稿しよう!