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「だったら、俺達も笑ってなきゃいけないだろ?
あの頃と同じように……」
俺の言葉にチヅルは小さく頷いた。
俺はそれを見ると、チヅルの背中をポンと押して、ミユキの前に立たせた。
その事にチヅルは一瞬戸惑ったような表情を俺に見せていたが、すぐに自分の目の前にいる子供を抱き上げると嬉しそうに笑った。
「じゃあ、今夜の料理を作らないとね」
「ママ~。オムライス!」
「そうだね。オムライスも作ろうね!」
そう言いながら、チヅルは母親の優しい笑顔を見せていた。
その俺は小さな溜め息をすると、そんな"家族"と一緒に笑った。
「それじゃあ、早く準備しような」
「うん!」
俺の言葉にチヅルは微笑みながら返事をした。
そして、俺達は両親達と家の中に入ると、それぞれ"飲み会"の準備をした。
その後、タクトも加わり、テーブルの上にも沢山の料理が並んだ。
そして……
「「「カンパーイ!!」」」
みんなの楽しそうな声と共にグラスを合わせる音が鳴り響いた。
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