8225人が本棚に入れています
本棚に追加
……それから数時間…
賑やかに"飲み会"は続いていた。
みんなはいい具合にほろ酔い気分になり、叫び声に近い甲高い笑い声を上げていた。
そんな騒がしい中、ミユキは疲れたのかチヅルの膝を枕にしてスヤスヤと眠っていた。
その可愛い寝顔を俺は微笑みながら見ていた。
そんな俺を隣に居たタクトがからかってきた。
「なんだ?今度は親バカか?」
「仕方ないだろ。
お前だってそうだろう?」
「まぁな。生意気な口を聞いてくるけどな。
それに変な言葉を覚えてくるし……」
「それは言えるな」
俺達は笑いながら、親ならではの話をしていた。
今思えば、あの頃の俺達には想像出来なかっただろう……
こんなに笑いながら話す俺達を……
そんな中、俺は静かに立ち上がった。
「便所か?」
「いや、ちょっと酔いを覚まして来る」
「あいよ」
俺の返答にタクトはそう脳天気な返事をしながら、自分のコップに余っていたビールを飲み干して、新たにビールを注いでいた。
はっきり言って、今日のタクトはいつもより飲むペースが早い……
「あんまり飲み過ぎるなよ」
俺はそうタクトに言うと、リビングを一人で出て行った。
.
最初のコメントを投稿しよう!