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でも……
「リュウジって、今でもミユキの事が好きなんでしょ」
「え!?」
あまりにも俺の心を読んでいたような唐突なチヅルの言葉に、俺は言葉を失った……
けど、そんな俺を見るなりチヅルはフッと小さく笑うと俺の胸元を指差した。
「やっぱり……
今日のリュウジ、ずっと"ペンダント"付けっぱなしだよ」
「あ……」
チヅルに言われて俺は自分の胸元に目をやると、2つの色違いのペンダントがあった。
外すのを忘れていた……
「いや……これは……」
俺は明らかに動揺したような声を出していた……
すると、俺を抱きしめるチヅルの腕に力が入ったのが体から伝わってきた……
そして、チヅルは少し寂しそうな笑顔を見せて……
「仕方ないよね……
あの頃のリュウジはミユキの事で、いっぱいだったから……
だから、今も……」
そう俺の腕の中で小さく呟いていた……
その声に俺は思わずチヅルを抱きしめた……
そして、チヅルの耳元で囁いた。
「違うよ……」
その俺の言葉にチヅルは少し驚いたように目を見開いていた。
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