ある少女の恋の詩
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廃れた街の真ん中で 彼は何も言わず、語らず。 空を見上げ、泣いていた。 涙どころか笑顔すらも滅多に浮かべる事のない彼が。 声を必死に押し殺し、 溢れてくるものを一緒に飲み込むように何度も唾を飲み込む動作を繰り返し、 泣いていたのだ。 「……っ…」 今この瞬間。 命の残量が尽きようとしている、赤い赤い血に塗れた私を抱き締めて。 泣いて、いた。
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