ある少女の恋の詩

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  その涙さえも 愛しいと思うのは、愚かだろうか?   だって例え私が指摘しても彼は絶対にそれを涙と認めない。 意地っ張りな彼は弱さを認めないヒトだから。   だから、余計愛しいのかもしれない。 泣いてるのはわかってるのに。 貴方が本当は誰よりも寂しがりやなことも、 わかってるのに。 彼のそんな意地が可愛らしくて、愛しかった。   だけど私はあえて言うことにした。 「悲しいの?」 と。 少し口角を吊り上げて、 これ以上の優しい笑みを知らないというくらいできるだけ優しく笑ってそう言った。  
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