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「ルイーっ!」
ぱたぱたと砂埃をあげてチフルが走ってくる。
「手!大丈夫?」
ぱっとあたしに駆け寄ると、手を取ってハンカチを解いた。
そういえばチフルが巻いてくれたんだ。
するりと布を取ると、中から大きく膨れた豆や潰れて血を出したものがあった。
おお、グロテスク。
「わあ、痛そう…」
チフルが眉間にシワを寄せて言った。
あたしは、
「だぁいじょーぶ!見た目アレだけどそんな痛くないから」
「ダメだよっ。やっぱり手当てしなきゃ…」
チフルが包帯を出した。
さっき心配して取りに行ってくれたんだろう。
「ありがとう、チフル」
あたしがそう言うと、
「いえいえ。姫のお世話は私の仕事ですからねっ」
おどけて言った。
ん、姫?
「姫ってどういう意味よ?」
あたしが聞くと、
「あれ、知らない?ルイは周りからそう呼ばれてるんだよ」
はぁ?
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