第二話 真剣勝負

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「なんで姫なのよ」 あたしがそう聞くと、チフルは 「えーとね、確か。キルシュくんが周りで呼び出したのが流行ったらしくて。」 キルシュ。 キルシュ。 ーあいつぅぅぅ!! なんか怒りがこみ上げてきた。 あんなやつに姫とか呼ばれんのは冗談じゃない。 「…ルイ?」 親友に名前を呼ばれて、あたしははっと我に返った。 「いや、何でもないよ」 あたしはにこっと笑顔を返す。 アイツのことを考えるのはやめよう。 うん。それが一番いい。 「よし!チフル、シャワー浴びにいこ」 あたしはこの汗と砂とかで汚れた体をさっぱりさせたい。 「あ、ちょっとルイっ。待ってよぉ!」 チフルがぱたぱたとあたしの後を追ってくる。
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