第三話 まどろみの一時

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「ありがと、コロン。でもあたしも負けちゃった」 隣に座ったコロンの頭をくしゃくしゃと撫で回す。 「ふぃ…キル、シュ…?」 小首を傾げてコロンが言う。 「うん…。剣が飛んでっちゃってさ。で、コケたの。マヌケだなぁ。」 あたしがちょっと自嘲気味に言うと、 「だいじょうぶ…ルイ、女の子の中じゃ一番。ボク、しってる」 ぶかぶかの袖をばたつかせて、コロンが肩をポンポンと叩いてくれた。 「コロン…」 あたしは堪えきれなくなって、 ガバッ。 「も~ありがと!大好きよコロン!」 むぎゅっと抱きしめた。コロンが苦しそうにもがく。 「いたい~くるしいよ、ルイ~」 …そうだよね。 …あたしの事を慰めてくれる人がいるんだもん。もっと頑張らなきゃ。
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