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「じゃあね、チフル」
「うん。またね、ルイ」
あたしはチフルに手を振って別れた。
チフルは学園の寮で暮らしている。実家がいろいろあって帰りにくいらしい。
あたしは近くの街から通っているので、徒歩で帰る。
空間転移の魔法なんてのがあるらしいけど、それには特殊な鉱石と技術が必要らしい。
あたしは夕方の穏やかな風に吹かれながら道を歩いた。
…のどかで、平凡な場所。
ここから少し行って、橋を渡ると貴族の領地だ。
あたしの家はその手前。
たまに学校でも何かと因縁をつけてくる貴族のお坊ちゃんやお嬢さんに出くわすこともある。
でも無視。
オール無視。
「…ねぇ」
はい無視。あー今日も疲れたなっと。
「…リレイツ」
若干怒りを込めた声で言われた。
あたしを名字で呼ぶのはー…
アイツしかいない。
うわ。出たよ。
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