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「……」
あたしは無言で歩みを早めた。
「へぇ、僕を無視とはいい度胸だね、リレイツ」
…ああもう~!!
「何でアンタがいるのよ!」
あたしは牙をむいて怒鳴った。
キルシュは少しひるんで、
「僕はただ下校してただけだよ」
さらりとぬかす。
ああそうですか。
「じゃあ話しかけないでよ!うっさいわね!」
「うるさいのは君だと思うけど。というより、僕も好きで話しかけた訳じゃない」
は?
「これ、落ちてたよ」
そう言って差し出したのは、あたしの髪留めだった。
「ーあっ!」
ポケットを探るけど、ない。
あたしはキルシュの方を見て、
「…どーもっ」
ばしっとキルシュからそれを奪う。
「ホント間抜けだね」
キルシュに鼻で笑われた。
かちーん。
「…なんですと?」
「だから間抜けって言ったんだよ」
キルシュが冷ややかな声で答える。
ひ と こ と多いわコノヤロー!!
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