第四話 兆し

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        ◇ 「ただいま~リア姉、帰ってきてるー?」 ドアを閉めて、辺りを見渡す。 「あ、おかえりルイ~」 ぱたぱたと、茶色い長い髪の女性が走ってきた。 「あ、リア姉…」 駆け寄ろうとしたその時。 「きゃっ…」 びたーん!! その女の人が派手にすっ転んだ。 ちなみにこのひとはあたしのお姉ちゃん…リシェリア・リレイツ(通称リア姉)18歳だ。 「いたい…鼻打った」 魔術の神童と呼ばれ天才でエリートだけど、致命的なドジ。 「あーあ。赤くなってるよ」 あたしが言うと、 でも鼻血がでなくて良かったと笑っている。 姉ならやりかねない。 「でも今日早かったね。協会の仕事少なかったの?」 ちなみにこのドジな姉は魔術師派遣協会(魔法協会)というところで働いている。仕事は主に魔物の退治や捕獲などだ。 「うん。森の方に出た大きな魔物の捕縛。時間かかったから、今日はもう上がっていいって」 ニコニコと嬉しそうに笑っている。 でも捕縛って…大変だったんだろうなぁ。
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