第一話 和やかなまどろみ

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       ◇ 暖かな光が差し込む朝。 あたしは眠たい目をこすりながら登校していた。 「う~」 果てしなく眠い。 なんたって昨日は朝まで剣術の練習してたんだし。 あたしの名前はルイ。 カラクナ魔法学園に通う16歳。 ちなみに本名はルヴェイス・リレイツ。 と言っても皆あたしをルイルイって呼ぶんだけどね。 「ルイ~っ」 ほら来た。 あの声はきっとチフルだな。 案の定緑っぽい短髪に、ヘアピンを付けた女の子が寄ってくる。 「おっはよ、ルイっ!ねぇねぇ剣術の練習してきた?」 「うん。朝までびっちりね…お陰で眠い。」 ふっわぁ~。 おっきなあくびがでた。 「わー…相変わらず頑張り屋だね」 チフルが感心しながら誉めてくれた。 でも実際のとこ好きで努力してる訳じゃないんだけど。 「いや、だって…」 言いかけたその時だ。 「リレイツ」 あぁ…この声。 あたしを名字で呼ぶのは先生とアイツくらいだ。 「あ…」 チフルが黙り込む。 朝から厄介だなぁ…
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