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「あの、先生…?」
連れてこられたのは、図書室の奥だった。
「ここだよ」
先生が大量の本がしまってある棚のひとつを指差す。
「…へ?」
あたしが不思議そうな顔をしていると、
先生がその棚にしまってある本のひとつを手の甲で押す。
ぐ…
ギギギギギギッ。
「!?」
奇妙な音を立てて、地面が鳴き出す。
「少し揺れるけど気にしないでね」
そう先生に言われたけれど、あたしは疑念が晴れなかった。
「…何を、する気ですか」
つい聞いてしまう。
すると、先生は冷徹な眼で、あたしに言った。
「君は黙って見ていなさい」
ー氷みたいに冷たい、起伏のない声で。
ぞくり。
あたしは背筋が凍るような感覚に襲われて、立ちすくんでしまった。
…怖い…!
少しして、ゆっくりと本棚が動き出し、棚があったそこには、壁ではなく下へ続く階段があった。
「さぁ、ついて来くるんだ」
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