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「…なによ」
あたしはけだるく、声の方へと振り返る。
つまり後ろ。
…ああ、やっぱり。
綺麗な真っ直ぐの銀髪を、首の半ば位で切りそろえている。男子にしては長め。
長い前髪に整った顔はかっこいいっていうより綺麗で。
ピシッとした制服はきちんと詰め襟まで留めてるし。
(ちなみに外見を分かりやすく述べてみたけど、全部イヤミ)
…アイツだ。
いつも何かとあたしを敵視してくる男子…
キルシュ・グランズベルツ。
『はぁ…』
ため息が出る。
あ、隣のチフルもついてるけど、これは違う意味でだ。
「君、剣術の勉強はしてきたの?」
丁寧な言葉使いがまたうぜぇ。
あたしは適当に返事をする。
「えー…まぁぼちぼち」
「いや、キルシュくん、ルイは朝まで特訓してたって…」
「チフルっ!?」
急いで口を塞ぐ。
コイツにそんな事言ったら、遠慮なくイヤミをふっかけてくるじゃないか!!
「ふーん…」
…キルシュが口だけを歪ませて笑う。
あたしは何か恐ろしい顔にしか見えないのに、
他の女子にはきゃ~笑ってる~って大絶賛だった。
面倒な事に…
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