第一話 和やかなまどろみ

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「はぁ…」 ぽつり、ため息がこぼれる。 あたしはカラクナ魔法学園に特待生として入学した。 通常、幼等部や初等部から入学し、幼い頃から魔法の勉強させる。というのがこの学園のモットー。 けれどあたしは、つい数ヶ月前…高等部から入学し、 自慢じゃないけど…試験に首席で合格してしまったので、 プライドの高い奴らには目をつけられてる、というわけだ。 特に貴族。 あたしの家は普通の位の家なので、それがさらにムカつくらしい。 はい、説明終わり。 「あぁ…今日もキルシュくんかっこよかったね」 チフルがそんなことを抜かす。 「いや、あたしにはそんな風にみえないんだけど…」 アイツはずるい。 他の皆にはいい顔するくせに、あたしにはあの態度だ。 まぁ貴族はほぼそんな感じなんだけど。 でもアイツ… 他の貴族とは違って真っ向から向かってくるからなぁ。 なんていうか、清々しい。 「大っ嫌いだけどね…」 「え、何が?」 チフルがきょとんとする。 しまった口に出してたか。 「や、なんでもないよ!」 すぐに全力で取り繕った。アイツの話なんかしたくもない! 「ほ、ほらチフル!早く教室いこ」 あたしはチフルの腕を引っ張って走り出した。image=176126689.jpg
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