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「はぁ…」
ぽつり、ため息がこぼれる。
あたしはカラクナ魔法学園に特待生として入学した。
通常、幼等部や初等部から入学し、幼い頃から魔法の勉強させる。というのがこの学園のモットー。
けれどあたしは、つい数ヶ月前…高等部から入学し、
自慢じゃないけど…試験に首席で合格してしまったので、
プライドの高い奴らには目をつけられてる、というわけだ。
特に貴族。
あたしの家は普通の位の家なので、それがさらにムカつくらしい。
はい、説明終わり。
「あぁ…今日もキルシュくんかっこよかったね」
チフルがそんなことを抜かす。
「いや、あたしにはそんな風にみえないんだけど…」
アイツはずるい。
他の皆にはいい顔するくせに、あたしにはあの態度だ。
まぁ貴族はほぼそんな感じなんだけど。
でもアイツ…
他の貴族とは違って真っ向から向かってくるからなぁ。
なんていうか、清々しい。
「大っ嫌いだけどね…」
「え、何が?」
チフルがきょとんとする。
しまった口に出してたか。
「や、なんでもないよ!」
すぐに全力で取り繕った。アイツの話なんかしたくもない!
「ほ、ほらチフル!早く教室いこ」
あたしはチフルの腕を引っ張って走り出した。
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