54人が本棚に入れています
本棚に追加
『えー?パパ作れるの?』
そんな疑わしい目でアタシが見る中、パパが手際良く「カツ丼」を作ってくれた。
これがものすごく美味しかった。
『パパ、凄いっ!んーまいっ!』
『ふふふん♪』
『パパって料理できんだ。』
『できるさ。』
『へぇ。』
アタシは少しだけパパを見直した。
そして嬉しかった。
ママが出て行ってから、パパは何に対しても覇気がなく、元気がなかったから。
だから、カツ丼を食べてるアタシを見て笑ってるパパに、少しホッとしたのかもしれない。
『ごちそうさんしたっ!』
『お腹いっぱいかい?』
『うん!また明日もなんか作ってね!』
『…えー。』
パパの湯豆腐や、オムレツ、ホットサンド、、何を食べても美味しかった。
パパはアタシに甘いから、アタシの嫌いなピーマンなんかは絶対使わないでくれた。
ママは逆にいつも使ってたっけ。
『ちゃんと残さないで、
全部食べなさい!』
ママは、ちゃんとご飯、食べてるかな…。
最初のコメントを投稿しよう!