新しい生活。

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『えー?パパ作れるの?』 そんな疑わしい目でアタシが見る中、パパが手際良く「カツ丼」を作ってくれた。 これがものすごく美味しかった。 『パパ、凄いっ!んーまいっ!』 『ふふふん♪』 『パパって料理できんだ。』 『できるさ。』 『へぇ。』 アタシは少しだけパパを見直した。 そして嬉しかった。 ママが出て行ってから、パパは何に対しても覇気がなく、元気がなかったから。 だから、カツ丼を食べてるアタシを見て笑ってるパパに、少しホッとしたのかもしれない。 『ごちそうさんしたっ!』 『お腹いっぱいかい?』 『うん!また明日もなんか作ってね!』 『…えー。』 パパの湯豆腐や、オムレツ、ホットサンド、、何を食べても美味しかった。 パパはアタシに甘いから、アタシの嫌いなピーマンなんかは絶対使わないでくれた。 ママは逆にいつも使ってたっけ。 『ちゃんと残さないで、 全部食べなさい!』 ママは、ちゃんとご飯、食べてるかな…。
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