始まりの夜。
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『もう喧嘩しないで。』 『うん、ごめんね。 もうやめるから。 だから雪も寝なさいね。』 そう諭されたアタシは、ママがまとめていた荷物の入ったバッグを胸に抱いて、 『ホントにいなくならないでね。 ちゃんといてねっ!』 そう言うアタシにママは黙って、そして少しだけ笑って頷いた。 その顔を見てホッとしたアタシは、そのまま眠ってしまった。 小学5年の春だった。
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