始まりの夜。

3/5
前へ
/91ページ
次へ
『もう喧嘩しないで。』 『うん、ごめんね。  もうやめるから。  だから雪も寝なさいね。』 そう諭されたアタシは、ママがまとめていた荷物の入ったバッグを胸に抱いて、 『ホントにいなくならないでね。  ちゃんといてねっ!』 そう言うアタシにママは黙って、そして少しだけ笑って頷いた。 その顔を見てホッとしたアタシは、そのまま眠ってしまった。 小学5年の春だった。  
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加