新しい生活。

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『…おはよう。』 『おはよう。』 ママが出て行った、という子供にとって大きな出来事があったからといって、毎日の生活は変わる事もなく。 普通に学校に行かなければならない。 それはパパも同様、仕事に行かなければならない。 昨日スーパーで買ってきていた菓子パンを開け、牛乳をカップに注ぐ。 パパはぼんやりとニュースを見ていた。 もしゃもしゃとパンを食べながら、アタシは何か話さなきゃ、何か話さなきゃ、と焦っていた。 だけど何も思い浮かばなかった。 ただただ、パパの丸い背中を見つめて、パンを食べていた。 もしゃもしゃと食べたパンの味はよく覚えていない。 だけど、新しい生活が始まったんだ、という実感だけは、ひしひしと感じていた。 この日から、パパとふたりの生活が始まったんだ。
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