†Prologue†

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謁見の間に入ると真ん中に赤い絨毯が敷いてあり、縁には金糸で刺繍が施してある。 その絨毯を挟むように二十人程の兵士が槍の先を天井に向けて構えて立っている。 その奥には玉座があり、そこには一人の女性が座っている。 その人がミリアの母であり、この国の女王でもある人だ。 「お母様、ご機嫌は如何ですか?」 ミリアが挨拶を兼ねて訊ねると。 「すこぶる悪いです!!!」 と返ってきた。 ミリアは『やっぱり……』と思いながら母に気付かれない様に溜め息を零す。 「ミリア、何故逃げたのですか?」 ミリアは『さっき侍女にも聞かれたなぁ~』と思いながらも、それを口に出して言う勇気はない。 「パーティーに興味がないからです」 それでもキッパリ言い切るミリア。 周りにいる兵士が恐怖の表情でミリアと女王を交互に見る。
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