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「あれは〝時空の歪み〟と呼ばれるものよ」
ニアの言葉に続けて今度はシオンが説明する。
「あの歪みは違う時空に繋がっている……と言われてる。
アレに触れると時間軸の違う別の空間に送られるらしい」
シオンの説明が断定ではなく仮定の域を出ないのは、それを試した人間がいないからだ。
「もしあっちに行ったらどうなるの?」
「……帰って来れる可能性はほぼ零だろうな」
時空の歪みは別の時間……過去、現在、未来の何処にでも繋がっていて、何処にも繋がっていないと言われている。
理由は違う世界に繋がっている可能性もあるからだ。
いわゆるパラレルワールド的な世界に繋がっているとの見解がなされている。
その事からメルカトルでは時空の歪みに近付く事を禁止している。
「これどうしたらいいの?」
「女王に場所を報せる」
そうニアに答えるとシオン達はその場を離れる。
その時、シオンは異常な魔力の塊が歪みの中から出てくるのを感じた。
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