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唄は止み、ゆっくり目を開けこちらに振り向く少女。 『ごめん、邪魔しちゃった?』 『いゃ別に、おまえもサボりか?』 『…まぁそんなとこ』 へぇー、俺以外にも屋上来る奴いたんだ。 『ふぅ~ん…お前、名前は?』 『…紫乃』 『俺は、…』 自分の名前を言いかけた時に『陸上部の要くんでしょ』 何で知ってんだ? 『放課後ここからよく見えたからね。要くんの走り方凄くかっこよかったよ』 紫乃は毎回ここでグラウンドをみているらしい。 『んなことないよ、俺早くねぇーもん』 『ううん、凄く綺麗!かっこいいよ!』 照れる俺は話をそらした。 『お前の声だって綺麗じゃん、さっき唄ってたし』 『あ、聴こえてた?』 頬を染めて照れながら笑う彼女につられて俺も少し熱くなった気がした。 『あぁ、もっと聴かせろ///』 しょうがないなぁ、といいながらも唄う。 ~♪ …~♪ フェンスに寄りかかり瞳を閉じてまたゆったりと唄い出す。 その唄声に耳を傾けながら要も壁に寄りかかって瞳を閉じた。 心地いい紫乃の唄声はいつの間にか要を眠りにつかせた。 ~~♪ ~♪ ・・・ 『また逢えますよぉに・・・』 優しく要の頬に手を触れ、紫乃は今にも泣きそうな声で呟いた。
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