ブランド

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名の知れたブランド。 それだけで愛された。 それだけが救いだった。 なにもない日々に 差し込んだ眩しい光。 笑いながら 気持ちを込めながら 毎日を繰り返してる。 いつの日からか気付いた。 ブランドがあたしを支配してた。 あたしがあたしでなくなった。 そんな気がした。 この名を聞いて たくさんの質問をされた。 出ない答えに膨れる顔たち。 悪いことなんてしてないのに 大きな罪悪感に包まれた。 大好きだったこの場所。 夢が溢れてる。 幼き頃の思い出。 今も輝いてる。 あたしらしくいたい。 あたしを見てもらいたい。 付属品なんかにしないで。 あたしはここにいる。
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