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えっ!?
朝、10時頃美優は目を覚ます。
「アァー、ヨグネタ。」
喉に激痛が走る。
えっ!?
慌ててお母さんの元へ行く。
「オガアザン」
喉の痛みに泣いている。
「あんたどうしたの?その声?」母親が普通じゃない美優の声に驚く。
「ノドガ…。」
美優は、それ以上声を出すのが辛そうに喉を押さえてうすくまる。「美優!どうしたのよ?喉が痛いの?とりあえず、すぐに病院行きましょ。用意するから待ってて!」
美優は少しうなずくとそのままうずくまっている。
母親は、カバンに慌てて保険証と診察券を入れると、車のエンジンをかける。
「大丈夫?すぐに着くからね。」安心させようとする母親の顔は明らかに、不安が包み込んでいる。
病院に着くまで10分
診察の順番が来るまで、35分
レントゲンの結果が出るのに20分
運命が変わった。
「大きな腫瘍が声帯にあります。まず手術でそれを取り除きましょう。」
「腫瘍?」
「はい。手術自体は………。」
「………。」
美優は説明の間ずっと黙っていた。正確には話せなかった。
ゆっくりと時間が進んでいく。
ただただゆっくりと…。
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