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二学期も終わりに近づき、冬が深まる。
クラスは大きく2つに別れていた。
美優に積極的にしゃべりかける、昔から仲のよかった子達は、変わり無く色んな事を話す。聞かれたくない、読まれたくない事も色々あるので、母親に頼んで小さなホワイトボードを買ってもらった。これなら簡単に消せる。美優は書くのが早くなったし、字がきれいになった。これはしゃべれなくなったがためになったことだ。そして、表情が豊かになった。
例えば、みんなが声を上げて笑ったとき、美優は顔は笑っていても、声では笑っていない。周りから見ればただにやけているだけに見られても仕方がない。書くにしてもタイムラグがあるのでついていけない。美優は表情一つで色んな感情を表すようになった。
両親や親戚、友達、先生から「表情が豊かになった」とよく言われる。
授業中も当てられる事はない。算数以外は…。社会の教科書も、国語の教科書も読めない。だから当てられない。しかし、算数は黒板に答えを書きに行く。前は何回かに一回書きに行くだけだったのだが。毎回書きに行く制度を先生がみんなに話して導入したのだ。
できないことは仕方がないが、できることはしていこう。
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