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『仕事大丈夫なの?』
「あぁ、愛娘が入院したんだ。部長に言ったら、快くOKしてくれたよ。」
『いつも仕事ご苦労様です』
「何を言ってんだ、自分の心配でもしてろ。」
『どうせ話せなくなるんでしょ?』
「話せるよ。」
『嘘だ。』
「気持ちの問題だ。声を出せなくても気持ちは伝えられる。」
『自信ないよ』
「美優なら大丈夫だよ。」
『何も知らないくせに。』
「知ってるさ。」
『じゃあ私の得意科目は?好きな色は?』
「簡単だよ。得意科目は理科。特に正座のところが好きなんだろ?好きな色は青。よく晴れた空の色だ。チョコレートケーキが好きで、この前書いた十年後の自分への作文でケーキ屋さんになってますか?って書いたんだろ?」
『なんで知ってるの?』
「美優が寝てからいつも由樹菜から聞いてるんだ。俺は仕事が忙しいからな。美優とはあまり話せないから色々由樹菜からきいてるんだ。」
『そうだったんだ。』
「あぁ、だから由樹菜が知ってる事は俺だって知ってる。」
『何でお母さんの事名前で呼ぶの?』
「由樹菜は美優のお母さんである前に俺の恋人だからだよ。恋人をお母さんって呼ぶ方がおかしいだろ?」
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