小学校生活にピリオド

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小学校生活にピリオド

小学校最後の冬も半ばに迫った。みんなの心に「卒業」という不安と希望が近づいてくる。待つ気などさらさら無く、足早に。 三学期は授業がよく潰れる。中学校の生徒会の人たちが、中学校がどんなところか話に来てくれるし、卒業式の練習が週に四回ほどある。授業中も先生の余談が増える。 「はぁ~…。」 休憩時間。奈美が何やらため息をついている。 『どうしたの?』 「私、中学受験したじゃん。受かっちゃったんだよね。」 『そうなの!よかったじゃん。おめでとう。』 「よかないわよ。みんなと離れる事になるんだよ。」 『それはそうだけど…』 「なんかもう一回思い出づくりにみんなでおもいっきり遊びたいなぁ。」 「奈美も受かったのか?お互い大変だな。自転車乗れないと。」 クラスメイトのイッ君事、乾がグチる。 「あんたと一緒にしないでよ。私は乗れるわよ。」 そう、イッ君は補助輪を付けないと自転車に乗れないのだ。中学は自転車通学…。補助輪を付けていったら笑い者にされる。それが嫌で受験したのだった。しかもそれで合格してしまうのがすごい。
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