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「マジもんマジもん、なんでも今日までなら家に住まわしてくれるらしいから、こん中から自分の荷物を持って明日は一人で不動産に行きな、判子やるから。」
「一人でって…………あんたたちは?」
「取りあえず、求人情報誌を見て良い仕事があったから行って来る、そしてそのまま、アパートでも借りるよ。」
「俺……………会社決まってんだけど。」
「あ、そういやお前が勤めるはずだった会社、取引に失敗して株価が大暴落して倒産したぞ。」
「なんなんだよこの不幸チクショー!!」
神様はどうやら俺を殺すつもりみたいです
「ま、お前もこの求人情報で仕事探せ、運よければ住み込み見つかるかもな。」
「運悪ければホームレス社会人じゃねぇか………………わかったよ、もう子供じゃねぇしな、終わっちまった事は仕方ねぇ…………俺のバイクは?」
「ある、キーもここにある…………じゃあ、俺達ぁそろそろ行くわ。」
「あぁ……………まぁ、今生の別れってわけじゃねぇしな、親父もオフクロも、長生きしてくれよ。」
「あぁ……………ほら、お前も泣いてないで何か言いなさい。」
親父は涙を流しているオフクロの背中を押す
「オフクロ…………。」
「ごめんね…………つらいけど…………頑張ってね。」
「…………オフクロこそ、気をつけろよ、親父と一緒じゃあいつ何が起きるかわからねぇからな。」
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