ぶっちゃけ、キモかった

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実際よ。 冷静に考えてみたら、急ブレーキとかいらないわけだぜ。 法定速度キチーッと守って転がしてりゃあ、神様は見てるんだからよ。 轢きっこないべ。 だから、数フィートは余裕を持って、ゆ~っくり停車したわけさ。 車を降りると、おれはすぐ人影に近付いたんだ。厄介ごとはごめんだけど。ほっとくのもなんか、アレだし。 そう考えながら、おれは飛び出してきた人影に向かって歩き出した。 ところが、その時おかしなことが起きたんだ。 霧が出たんだ。 ただの霧なんかじゃない。 特濃~の霧がよ、突然車の後ろから迫ってきてよ!おれの仏滅号も人影も、全部飲みこんじまったんだ! それこそ爪先も見えないくらいのすんゲー霧で、請け合ってもいいけど、あんな濃い霧は生まれて初めてだった。 自然に出来る濃さなのか?とか考えちゃったもんよ。 一瞬だけど。 けど、事態はそれでおわりじゃないんだ。 霧に驚いて振り向くと、おれの目の前には見慣れた仏滅号のサイドミラーがあった。 いつも頼りになる、仏滅号の片腕さあ。いつだって安全はサイドミラーからだって、うちの社長も言ってた。 顔は見たことないけど。 だけど、事態はそれでおわりじゃないんだ。 車のサイドミラーに、普通じゃありえないもんが写り込んだんだ。 今でもはっきり覚えてる。 忘れられるわけがないべ。 あれは間違いない。 ありゃあ女の子だった。 いきなり湧いた濃い霧の中をよ 突然飛び出してた変な奴のすぐそばでよ 青いワンピースを着た、髪の短い女の子が、鏡の中に立って、こっちを見てたんだ。
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