ミルクティーは私の恋人

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家に帰りつくと、居間からお母さんの声がした。 めずらしいなぁ。 両親は共働きで、 兄弟もいないから 私はいつも一人だった。 別にもう慣れていたし、 今ではそれが気楽だ。 だけど、たまに思う。 学校から帰ってくると キッチンからお菓子の良い香りとお母さんが向かえてくれる、そんな暖かい家を。 でも現実は、缶コーヒー片手にパソコンに向かっている母。 「最近どぉ?」 と母が聞いてきた。 「何が?」 本当は言いたい事は分かっている。  「何がって、学校とか最近の出来事とか。」 ほらきた。   「まぁ、別に普通。」 抽象的な質問には抽象的に返す。   「普通って…。はぁ、まぁいいわ。頑張って。」 頑張るって何を? これ以上話しがもたない気がして、 自分の部屋に戻ることにした。
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