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「あの、これうちの親が持ってけって…。
あ、うちは斜め向こうの家でして。」
わぁ~、私何緊張してんの。
「ありがとう。ご近所さんなんだ。あっ、もう体大丈夫?」
背、高いなぁ。
「あっ、うん!だいじょ~ぶ。
ちょっと寝不足だったし、暑かったから。
さっきはありがとね。
それで、あの、さっき私そっけなかったかもだけど…
あれ、そうじゃなくて…
だから…その、カフェオレが嫌いだったの!!!」
なに言っちゃってんだ、私。
「あっえっ?そっか、そうだったんだ。てっきり俺嫌われてると、こんな俺と間接キスになるのが嫌なんだと…」
顔を赤らめながら彼は言った。
「ううん、本当わたしカフェオレが嫌いだったからなんだ。
ごめんね?
じゃ………じゃぁ、また明日。」
ふぅ、言えて良かった。
私が背を向け歩きだした時、佐藤クンは言った。
「き、北原さん。犬好き?」
「えつ?好きだよ。
ケド何で私の名前……言ったっけ?」
脈が少し早くなったきがする。
「いや、あの。
今日更級日記読んでたでしょ。
あの時、声が好きだったから。
ん?好き?いや、
そんな意味じゃなくて……
なんか良かったんだ。
だから自然と名前覚えた。」
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