ミルクティーは私の恋人

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……な、何を言ってくれてるんだこの人は!? 「そんな事、初めて言われた。 犬ね、好きだよ。 佐藤クンの家の犬とかすっごく可愛い。」 私がそう言ったら彼は、今日会ってから見せたどの笑顔よりも優しく笑いながら言った。 「こいつね、コロって言うんだ。 雑種で血統書なんかなくて、俺が中学の時拾ってきた。 でも、俺にとっては世界一の犬。 あの、もしよかったらこの犬気に入ったなら明日とか一緒に散歩どうかな? 良い散歩コースも見つけたいし。」   えっ、散歩!? いいけど私でいいのかなぁ。 「行く。コロ、これからよろしくね。 じゃぁ、私帰るね。 ばいばい。また明日。」   コロによしよしして、 私は足早に帰った。   「待って!!!」 またもや引き止められる。   「北原さんの下の名前、何?」   「波美(なみ)。波に美しいって書くの。」   「そっか、なみ。 うん、ぴったりだ。 じゃね、波美ちゃん。」 「あっ、うん。じゃね。」 私はそそくさとその場を後にした。 だって、頭が混乱したんだもん。
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