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海の方へ続くと思われる道を歩いた。
コロは初めての道を楽しんでいるようにも、
道を覚えようとして必死なようにも見えた。
「コロいいなぁ。
よしよしなんかされてたじゃん。
てか『じゃん』だってさ。気持ち悪いな。ははっ。」
方言や訛りはできるだけ出さないよう努めていた。
別に故郷の方言は嫌いじゃない。
でも、
僕はいつだってみんなと一緒じゃなきゃ嫌な奴だった。
一人だけ目立つのが苦手だった。
今も……。
今日は慎重に言葉を選び
言葉を発した。
みんなと同じように
「~じゃん」
「~だよ」
「~なの?」
って言ったつもり。
別に自然に言えたと思う。
でも、なんか気持ち悪いんだ。
もうすぐ海なのだろう。
潮の匂いが一層濃くなってきた。
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