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その子は肩までの長さの深みのあるブラウンの髪が美しい、瞳のぱっちりした小さな可愛い子だった。
一生懸命メロンパンを食べる姿はリスのような小動物系の可愛らしさを連想させる。
「私こそ助かりました。今日、何も食べてなかったので……。これ、凄く美味しいです」
消え入りそうな声だったが、とても可愛い声だ。
それにメロンパンの良さを分かるとは、この子中々侮れん……。
「そうだ!ついでにこれもあげるよ。成功報酬ってことで」
そう言って袋から取り出したパックの牛乳を渡す。
「い、いえ!そんなの申し訳ないです」
「遠慮せずに受け取ってよ。って言うかね?メロンパンに牛乳はセットみたいなもんだよ?牛乳あってのメロンパン。メロンパンあっての牛乳なんだから」
すみません。少し言いすぎました。
「そ、そうなんですか?」
いい子だなー。
素直に信じちゃったよ……。
「うん、とりあえず飲んでみてよ。さっき買ったばかりだから、まだちゃんと冷えてるよ」
少し考えた後、その子はパックにストローを突き刺し、チューっと中身を吸い込んだ。
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