終る夏

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例の飲み会から時は経ち、ようやくあの件を誰も口にしなくなってきた頃、季節は夏本番をむかえていた。 あの後は本当に大変だった。 芸能レポーターのような質問攻めの氷口を、 「記憶にございません」 だとか、 「全て秘書がやったことです」 と、のらりくらりとかわし続けるもすぐにバレた。 てか綾香先輩がばらした。 「涼夜君とちぐちゃんがキスしたの」 とか言って中途半端に偏った情報を与えやがったのだ。 そのせいで氷口は血の涙を流しながら、 「もうYou達付き合っちゃいなYo」 とか言い始めるし、谷口はさらにヒートアップした嫉妬ソングを熱唱するし、ゆゆに至っては、 「なら涼夜さんにキスした私も彼女さんになってしまうということですね!あと私が先でしたから、私が一号さんですね」 とか言い始めて事態をさらに悪化させた。 どちらが一号か二号かで揉めて、 「じゃあ今度こそどちらが相性がいいかハッキリさせようじゃないの!」 「望むところです!」 と、にらみ合ったかと思うと、何故か俺のベルトに手が掛けられたりと……。 ……おぉ、これ以上は思い出したくない。 あれは間違いなく、俺の黒歴史で殿堂入りの事件だった……………。 それでもなんとかその場を収め、帰宅。 それから、翌日どんな顔で二人に顔を合わせたものかと一人苦悶しまくった。
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