終る夏

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飲み会後の、休みが明けた月曜日。 マンションを出たら、大学に向かうゆゆの背中を見つけた。 しばらく声をかけようかどうか悩みながら後ろを歩く。 あんなことがあって、どんな顔して話せばいいのやら……。 いや、普通でいいんだ。 普通で! あれだけ酔ってたんだから覚えてないかもしれないし、もし記憶にあったとしても気まずくなるのを避けるために上手く話を避けるに違いない。 それこそ、この前の飲み会は夢だったんじゃないかって思うくらい普通の対応をしてくるんじゃないだろうか。 うん、そうだ。 そうに違いない。 だから全然大丈夫、ノープログラムだ! 若干いっぱいいっぱいの頭でそう考え、意を決して話しかけた。 何気ない顔を無理矢理装って、ポンと肩を叩く。 「おはよう、ゆゆ。今から大が――」 「きゃああああああああ!りょ、涼夜さん!?」 俺の声を聞いた瞬間、飛び上がらんばかりの勢いで驚いた。 バッと素早く振り返るゆゆ。 俺の顔を見るなり瞬時に顔が真っ赤に染まった。 「わ、私何も覚えてません!してもないし見てもいませんからあぁーーーーーー!」 真っ赤になった顔を伏せると、そう叫びながら踵を返し、走り去ってしまった。 その場に呆然と取り残されたイケメン(痛くて消したい記憶があるメンズ)の喉がゴクリと鳴る。 ……あれは、覚えていらっしゃる。 ちぐさに会うのが、怖い……。
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