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「今日はどこで飯食う?」
午前の講義が終わり、氷口がカバンを持ちながら寄って来た。
「今日は学食行こうぜ」
安いからな。
バイトの給料日前だからそんなに金がない。
「了解っと。んじゃ行こうぜ」
「今日はそんなに混んでねーな」
空いた席を見つけてトレーを置き、席についた。
「こないだバイト先でさぁ――」
飯をつつきながら氷口の他愛ない話を聞いていると、すぐ隣の席に女二人が腰を下ろした。
「――あっ……」
そのなんとなく聞き覚えのある声に顔を上げると、隣の席に座った子が俺を指差し驚いていた。
「あっ!」
俺も思わず声が出る。
俺を指差して驚いていた子は、この前先輩に追われている時、俺が隠れるのに協力してくれた子だった。
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