75531人が本棚に入れています
本棚に追加
/636ページ
ゆゆの家を出た俺達は駅前の携帯ショップに到着した。
「どんなのがいいの?」
道すがら聞いたこの問いに、ゆゆは
「出来れば涼夜さんと同じのがいいです」
と、はにかみながら答えた。
どうやら一度見せた俺のモデルが気に入ったらしい。
「んー、これは多分ないと思うよ?」
「なんでですか?」
俺の答えに首をかしげ、不思議そうな顔をする。
「俺の携帯は一年以上使ってるから、もう古いやつなんだ。携帯ってモデルチェンジが早いから、古いのはすぐに店頭から消えちゃうんだよね」
「そーなんですか……」
「まぁ、絶対無いとは言い切れないから、とりあえず見てみよう」
「はい!」
結局、やはり同じ物は無く、ゆゆは凄く残念そうにしていたが、俺と同じメーカーの白い可愛らしい携帯を買った。
「なんかドキドキします」
購入後、付き合ってくれたお礼ということでスタバに入りコーヒーを奢ってくれた。
向かいの席に座ったゆゆは初めて携帯を手にした自分の携帯を、物珍しそうに取り扱い説明書を片手にいじくっている。
最初のコメントを投稿しよう!