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「で・・・一体、俺には何が起こるんだ?あいつから話は聞いたけど・・・イマイチわからねぇ。α ̄がどうとか・・・。」
「解らなくても、大丈夫。それに今は、教えられない。私は本来、貴方の前に姿を現さない予定だったのだから。」
尋ねる俺だが、シータはアルファをじとりと一瞥するだけで、答えない。
「大丈夫って・・・何でだよ?」
「すぐに解るわ。だから、大丈夫。・・・それじゃあ、また。」
そう言うと、彼女はまた何かを唱え始めた。
「進化・・・τ(タウ)。」
最後に呟いた言葉と同時に、彼女の背から漆黒の翼が生えてくる。・・・なんか痛そうだな。
翼を広げ、何度か羽ばたく。黒い羽が屋上の空に舞い、風に飛ばされる。
「またね!しーちゃん!」
アルファが彼女に大きく手を振った。それを一瞥すると、彼女は微笑を漏らし「頑張って。」とだけ言い空へと飛んで行ってしまう。
「なぁ・・・。」
それを見ながら、俺はアルファに問うて見た。
「お前らってさァ、ホント・・・何もんなんだよ?」
そんな問いに、アルファはくすりと笑みを零し言うのだった。
「だーかーら。」と言って俺の顔を覗き込ながら。
「正義のヒーロー、アルファちゃん!」
と、自信たっぷりに。
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