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●四方にある四枚の絵の真実
まず、髭の男だが、彼の立っているのはダイナマイトの上。
ダイナマイトは導火線に点火しており、これは爆発する数秒前を描いたものなのか………
男の名はエドワード・グレイシー。
マスター・グレイシーの叔父にあたる人物である。
彼は大学を卒業後、外交団に入り、1937年にビルマの大使に任命された。
そして同年5月1日、彼はその日に開催される晩餐会で着用する自分のズボンが出来上がるのを待っていた。
彼が晩餐会で話す予定のスピーチの原稿に目を通していたそのときだった。
いきなりゲリラの集団が大使館に侵入。彼は襲撃を知ると、危機を感じてすぐに宿舎からオフィスへと通じる通路を通ってオフィスに出た。
しかし、そこにあったのはゲリラが仕掛けたダイナマイト。
それもたった今、ゲリラが導火線に着火したところだった。
エドワードはそれを見て死を覚悟し、爆発寸前のダイナマイトの上に立って叫んだ。
「この大使館を爆破するのであれば、お前たちも道連れだ!」と。
その直後、エドワード・グレイシーは大使館と共に爆死したのだった。
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